〔少女漫画〕
通称『フルバ』。
現在アニメも放送されている作品です!
本編は既に完結している中、そのストーリーやキャラクター設定に人気が衰えない作品!
私も全巻+ファンブックまで持っており、今でも大切に保管しています^^
『フルーツバスケット』はどんなお話?
あらすじ
「フルーツバスケット」全23巻
著者:高屋 奈月(たかや なつき)
テントで暮らす女子高生・透(とおる)。家事の腕を買われ草摩由希(そうまゆき)の家で暮らすことに。だが、草摩家には異性に抱きつかれると動物に変身してしまうという秘密が―。
(引用元:コミックシーモア)
高校1年生にして両親を亡くした透は、「しばらく」という名目でテント生活を送っていました。(この時点で普通の女子高生では無いような……)
しかし、その生活を送っていた場所が実は“草摩家”のものであることが発覚!
あわやどうするかと言う時に、家の所有者である草摩 紫呉の元で居候をさせてもらうことに。
“学校の王子様”である由希とも問題なく暮らせそうーーと言う時に現われたのが謎の少年、夾。
いきなり由希と夾のバトルが始まったと思いきや、止めようとした透が夾に抱き着いたことで動物に変身‼
ーーまでが第1話です。急展開ですよね(笑)
それから巻数を追うごとに新しい十二支が登場し、そしてそれぞれの過去が語られてーー。
最初は「楽しい、面白い」だけだったのが、いつの間にか「楽しいけど、切なくもなる」場面が増えていきます。
とっても奥深い作品なんです。
主要登場人物
本田 透(ほんだ とおる):幼い頃に父を、高校入学直後に母を亡くした女子高生。
誰に対しても敬語で話す。とあるきっかけで草摩 由希と出会い、彼の保護者である草摩 紫呉(そうま しぐれ)の家に居候させてもらうことに。
優しい心根の持ち主で、草摩一族の呪い(動物に変身する)を知っても態度は変わらず、次第に一族の問題へと深入りしていくことに。
草摩 由希(そうま ゆき):透の同級生。鼠の物の怪憑き。
眉目秀麗・文武両道という完璧な人物だが、自身ではそうと考えておらず、コンプレックスを感じている面も。
夾とは仲が悪いが、他人を惹き付ける人間性を羨ましいと思っている。
草摩 夾(そうま きょう):透の同級生。十二支には入れなかった猫の物の怪憑き。
ぶっきらぼうだが、本質には優しさがある。
“猫憑き”であるが故のコンプレックスを抱いており、それに触れそうになった者には拒絶を示す。
由希とは仲が悪いが、物事を器用にこなし、周囲から信頼される姿を羨ましいと思っている。
“十二支憑きの一族”が中心となるお話。
一族の人達はもちろんだけど、透の親友達や亡くなられたご両親もなかなかクセのある人達で面白いんだよね!
高屋奈月先生について
1992年にプロデビューされたようで、約30年の経歴を持つベテラン先生です!
代表作は『フルーツバスケット』。
個人的には誰しもが持つ、“心の闇”の部分を描くのがお上手な先生という印象ですね。
そしてその不安な心を少し楽にしてくれる言葉のチョイスも素晴らしいなと感じます。
人生の中や、日常の中で、ちょっとしたきっかけで不安になっちゃう時に、高屋先生の表現で心が温まるんだよね
「当たり前なのに気付けなかった」・「ダメダメだと思っていたけど、自分ってもしかして頑張っているのかも」と感じさせてくれる言葉が多いよね
フルバの魅力
白泉社の漫画雑誌『花とゆめ』にて、1998年~2006年まで連載された作品。
連載中は残念ながらお見かけすることは無かったのですが、たまたま古本屋さんに行った時に発見し、何と無しに読み始めていると止まらなくなってしまった作品(笑)
主人公の透が天然な性格の為、周囲にツッコまれたりと、和やかながら面白いシーンも多いです(´▽`)
ただ決して楽しい、面白いだけの作品ではなく、“十二支憑き”という特殊な呪いにかけられた人達が持つ心の闇や、社会に溶け込めない苦痛だったり、“普通の人”が持つ日常の悩みについても触れており、切なくて苦しい気持ちにもなります。
魅力1~登場人物~
異性に抱き着かれると十二支の動物に変身してしまう男女。
その性格は“普通の人間”と同じように、天真爛漫な者や何事にも動じない者、短気な者と様々。
そして彼らを統べる“神”である存在も。
そんな彼らに深く関わってくる、心優しく、誰に対しても敬語で話すこと以外は“普通の女の子”、透。
彼女の二人の親友は、一人は元暴走族の一員、現ヤンキーのうおちゃん。もう一人は他人の心が分かり電波を使える少し不思議な女の子、はなちゃん。
彼らのほとんどは学生なので、クラスメイトや先生も物語に関わってきます。
人付き合いが苦手な由希の“生徒会へ入る”という新しい挑戦の先にも、他のメンバーとの出会いが待っていますし、草摩家や透に複雑な事情があると分かっていながらも、正しい愛情で見守ってくれている先生。
草摩一族の秘密を知る一般人は透のみですが、普通の学校生活を送っていく上で、彼らの持つ常識的な考えや感情に物語の均衡が保たれているような気がします。
設定だけで面白い!
私は透の親友の「うおちゃん」と「はなちゃん」が好きだなあ。三人の美しい友情にほっこりさせられるね!
物語の中でそれぞれに焦点を当てた過去編もあるんだけど、かなり辛い経験もしてるんだよね。
でも、周りの力で立ち直って“今”を笑って過ごしていることに感動するよ
魅力2~心理描写~
高屋先生の心の表現の素晴らしさ。
決して押し付けるようなものではなく、心の隙間にいつの間にか入り込んでいるような心地よさがあります。
性格が異なるからこそ、悩まされることだったり、反発してしまうこともありますが、全員の気持ちが良く分かる作りになっているんですよね……。
読んでいる時に「そうだよね……どっちも辛いよね」と思いにふけることもしばしば(笑)
苦しいのは自分だけじゃない。
自分の大切な人を守っているつもりでも、一番傷つけているのは、その守りたい相手だった場合もある。……難しいけどね
あっちゃんが大人に……!(笑)
哲学っぽい所もあるのが『フルバ』の魅力だね!
最後に
笑って泣けて、そして心が少し温まる作品。
出会えて良かったと心から思える作品の一つです。
ちなみに本作品は、『〔勇気が出る!〕人生に、心が疲れた時に読んで欲しいおすすめ漫画3選』でもご紹介しています♫
完結後、本編から数十年後のお話を描いた『フルーツバスケット another』もあるようで、彼らの子供達が登場しているみたいですね。
こちらも読んでみたいと思ってはいるのですが、“その先”を見ると切ない気持ちにもなりそうで、まだ手に取れていません(^^;
いつか、いつかは……。